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2017年2月16日

沈黙 ーサイレンスー

ちょっと前に読んだ本があまりにも救いがなく、「読んだ時間返せよ。」と思うくらいの『愚行』になってしまったため、この映画を見るときも「そんなんだったらどうしよう」と思って映画館に足を運びました。

遠藤周作 原作、マーティン・スコセッシ 監督『沈黙ーサイレンスー』。

17世紀、壮絶なキリシタン弾圧の嵐が吹き荒れる江戸時代初期の日本を舞台に、来日した宣教師の衝撃の体験を描いた作品。

神は助けてくれないんですよ、村人や宣教師が苦難に陥った時も沈黙を守ったまま。その苦難を乗り越えてこそ平安が訪れる。神のためならどんな苦難も死をも受け入れる。

物質的には豊かで、平和な日々を送れることが当たり前で、それが日常になってしまった現代では当時のことを想像することも難しい。

本来、『信仰心』はすべての人間の心の根源にあり原始的でかつ非常に大切なものではないのかなぁと考えさせられてしまう。正直、「いい洋服が欲しい、おいしいもの食べたい、いい車に乗りたい」などと思っている僕の耳には痛く、胸には重くズシンと来るものがありました。

「矛盾の中に真理はあり、真理の中に矛盾が存在する。」そんなことを感じてしまう映画でした。

観終わった後は気分爽快になるわけでも胸がときめくような映画でもないですが、信仰心が薄いといわれる日本の特に今を生きる若い世代のみんなに観てもらいたい作品だと思いました。

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